弁護士プロフィール(柴谷 晃)
柴谷晃のプロフィール
裁判官になるまで
1955年生まれ。
高校まで神戸で育ち、そのため阪神タイガースにぞっこん。
タイガースが優勝する度に号泣しています(だから、人生で号泣した経験は少ない。)。
大学3年生の時、ロッキード事件で田中角栄氏が逮捕されたのに衝撃を受けました。
前首相の逮捕です。開発途上国なら権力闘争に破れて投獄される元首は幾らでもいますが、これは日本の話です。
「日本の検察ってすごい。」と感動し、法曹を目指すことにしました。出身は、経済学部なのですが。
1981年に司法修習生になり、少しオトナになって冷静に考えてみると、検察官の仕事は青臭い正義感だけでやれるような甘い仕事ではないと分かり、裁判官に任官しました。
裁判官時代
裁判所での職務内容は、次のとおりです。
神戸地裁で、一般民事事件と労働事件の陪席裁判官を2年間。
福岡家裁で、少年事件を1年間。
福岡地裁で、執行・保全事件を1年間、刑事事件の陪席裁判官を1年間。
裁判所書記官研修所で、民事教官を3年間。
この時の教え子が全国各地の裁判所で書記官をしています。
弁護士に転身
中立の立場でジャッジする仕事がもの足りず、裁判所は8年で退職。
1991年に弁護士に転身しました。
もともと、格闘技が好きで、中学・高校時代は柔道部。
ただし、私の体形をご覧になれば想像できますが、弱かったです。
体形ではなく、負けず嫌いの性格が格闘技を指向させるのです。
したがって、弁護士の仕事の中では訴訟が大好きです。
簡単に和解で終わらせて、お手軽に報酬を稼ごうなんて気持ちはさらさらありません。
勝敗が微妙な難事件について、アタマをフルに使って依頼者を勝たせる法律論を捻り出したり、証拠の出し方や反対尋問のプランを練りに練って、訴訟に勝つための作戦を考えるのが生き甲斐です。
依頼者には申し訳ないですが、ここだけの話、私は自分の趣味で訴訟をやっているのです。
でも、それが依頼者にとっても大いに利益になることなので、ご了承いただきたいと思っています。
弁護士の業務分野
裁判官経験があることから、弁護士になった後も、中央建設工事紛争審査会、証券・金融商品あっせんセンター、国民生活センターといった幾つかのADR(裁判外紛争解決機関)の委員(または特別委員)を拝命しています。
もともとの専門分野は担保法や執行法(要するに、金の取立て)なのですが、上記のような仕事をしていることや、建設業の上場企業2社の社外取締役・社外監査役をしている関係で、建築紛争、証券紛争、消費者紛争にもかなりの経験を積むことができました。
弁護士になっても裁判官のような仕事をやっているのですが、それが弁護士業務に大いに活かされている訳です。
中小企業の会社支配紛争も得意分野の一つです。
企業の創業者が亡くなると、時折、相続人である兄弟姉妹間で経営を巡る内紛が起こり、株式買取請求や取締役の義務違反による損害賠償請求といった形で紛争が顕在化します。
株式買取価格決定事件では、平成20年ころから裁判所の採用する価格決定方式に変化が見られます。
自分の依頼者に有利な(買取請求する株主が依頼者のときには高く算出され、会社が依頼者のときには安く算出される)方式を如何にして裁判所に採用して貰うかというところが、腕の見せ所です。
ここ数年来、取り扱った株式買取価格決定事件は、株主側でも会社側でも全て依頼者の満足のいく結果を得られています。
また、例えば、多数派の株主が少数派に属する役員を退任させたい場合、それが取締役であれば、任期満了まで待って自派に属する後任取締役を選任すれば、交替が実現できます。
しかし、監査役の場合には、会社法343条1項により監査役の同意がなければ監査役の選任議案を提出できないため、自派の監査役を選任するのは簡単ではなさそうです。
しかし、実は、これも、ちょっとしたアイデアで交替を実現することができるのです。
弁護士業務以外の仕事としてはもう一つ。
駒澤大学法科大学院の専任教員をしています。
還暦をすぎ、普通ならだんだんアタマが鈍ってくるところですが、教員をしているおかげで、最新の法律や判例の情報をアップデートできています。
趣味
最後に、趣味ももう一つ。
50歳になった時に家内のご了解をいただき、自分専用のクルマを持たせていただきました。
以来、Z4、ボクスター、124スパイダー、エリーゼと、2シーターのライトウェイトオープンスポーツカー(二座席軽量開放運動車)ばかり乗り継いでいます。(ケーターハム・スーパー7が欲しくてたまらないのですが、あのクルマを所有するには、車庫と勇気が必要なために実現していません。エリーゼは、いたく気に入り、現在は3台目のエリーゼです。)
自宅が我孫子市内で、利根川のすぐ向こうは茨城のため、週末は、主に常磐道を使って筑波山や北茨城を一人でドライブします。
ドライブしながら手持ち事件の訴訟戦術を考えていると、テンションが上がって気分が発散できます。
やっぱり、結局は、訴訟が趣味なんですね。
経歴
長い文章になりましたので、最後に経歴を略記しておきます。
昭和55年3月 | 東京大学経済学部卒業 |
昭和58年4月 | 判事補任官 |
昭和63年4月 | 裁判所書記官研修所教官 |
平成3年4月 | 弁護士登録(第一東京弁護士会) |
平成11年10月 | 中央建設工事紛争審査会特別委員(現任) |
平成16年4月 | 駒澤大学法科大学院特任教授(現任) |
平成18年10月 | 証券・金融商品あっせんセンターあっせん委員(現任) |
平成24年10月 | 国民生活センター紛争解決委員(平成28年9月まで) |
平成26年1月 | 日本証券業協会自主規制会議不服審査会委員(現任) |
平成28年4月 | 日本弁理士会審査委員会委員(平成30年3月まで) |
その他 | 建築業東証プライム市場上場企業 社外取締役(現任) 建設業東証スタンダード市場上場企業 社外監査役(現任) 不動産業非公開会社 監査役(現任) |